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【G@lileo】音色の方程式

第13章 『接続る』




 その夜、
 研究室の時刻は、
 午後九時を過ぎていた。


 「…………」


 湯川は論文を読んでいた。
 机の端はスマートフォン。

 普段ならそこに置いてあっても、
 ほとんど意識することはない。


 「…………」


 視線を戻し、文章を読み進める。

 数行読んでまた、
 スマートフォンが視界に入る。


 「…………」


 別に、
 連絡が来るとは限らない。

 雑談を送る、彼女はそう言った。

 しかし、
 今日送るとは言っていない。


 「…………」


 湯川は論文へ視線を戻した。

 その時、
 机の上でスマートフォンが震えた。


 「…………」


 手が止まる。

 画面を見る。


 『先生まだ大学ですか?』

 「…………」


 湯川はメッセージを開いた。


 『そうだ』


 送信すると、
 間もなく返信が届く。


 『やっぱり笑 遅くまでお疲れ様です』

 「…………」


 文字を見る。

 少しして指が動いた。


 『君は?』


 また、送信して数秒。


 『今帰ってきたところです 部活でした!』

 「…………」


 もう一度指が動く。


 『夕食は?』

 「…………」


 湯川の指が画面の上で止まった。

 何故それを聞いたのか、
 考えるより先に送っていた。

 間もなくして、


 『まだです』


 湯川は画面を見る。


 『先に食べた方がいい』


 送信をした。
 すぐに彼女から返ってくる。


 『先生もちゃんと食べてくださいね笑』

 「…………」


 しばらく、
 その文字を見つめていた。


 『分かった』


 数秒、
 画面は静かなままだった。


 「…………」


 会話はそこで終わった。
 必要なことはもう何もない。

 湯川はスマートフォンを置いた。

 論文へ視線を戻す。


 「…………」


 再び、
 スマートフォンを手に取った。

 画面を開き、
 先ほどの会話をタップする。

 その一番下の入力欄に、
 指が動く。


 「…………」


 『それで、夕食は何を食べるんだ?』


 送信した。

 数秒後、
 スマートフォンが震えた。


 「…………」


 湯川は今度はすぐに、
 画面を開いた。





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