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【G@lileo】音色の方程式

第13章 『接続る』




 火曜日、
 午後二時四十九分。

 いつもの場所に私と先生はいた。


 「先生」

 「何だ?」

 「最近また来るようになりましたね」

 「…………」


 先生の手が、
 ほんの僅かに止まった。


 「以前と変わらない」

 「……一回いなくなったじゃないですか」

 「…………」

 「まあ、いいですけど」

 「何がだ?」

 「先生がいるなと思って」

 「見れば分かるだろう」

 「そういう意味じゃないです」

 「では、どういう意味だ?」

 「説明しません」

 「何故?」

 「先生に言うと面倒くさそうだから」

 「…………」

 「何ですか、その顔」

 「別に」


 少し前まで、
 それが当たり前になっていた。

 先生がベンチに座って、
 本を読んで時々、
 私の演奏に口を出す。

 一度、
 その当たり前がなくなった。

 だからなのか今は、
 先生がいつもの場所にいるだけで、
 少しだけ安心する。


 「…………」

 「何だ?」

 「いえ。何でもないです」

 「またか」


 私は笑ってフルートを構えた。
 息を吸って音を出す。





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