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君に唄う 【呪術廻戦*ヒロアカ】

第1章 『ひとりぼっちの人魚姫』 プロローグ


暴風に吹き飛ばされ激しく地面に叩きつけられながらも、村人たちはなおも醜い殺意を捨てなかった。



「ひぃっ……! なんだこの風は……!」


「化け物め……やっぱり呪われているんだ! 殺せ、殺してしまえ!!」




狂気と恐怖に顔を歪めながらも再び武器を構えて這い寄ってくる男たちを、
少女は血に濡れた母を抱きしめたまま静かに見つめた。
その瞳に宿っていたのは絶望と、深く重い——憎しみ。
彼女の感情が怒りと哀傷の極致に達したその瞬間、大地が狂ったように震え出した。



地面から現れたのは太く頑強な植物の蔓の群れ。
意志を持った大蛇のようにのた打つ蔓は、彼女の情念に呼応するようにして襲いかかろうとした村人たちへ容赦なく襲いかかった。




「ぎゃあああああっ!?」


「助けてくれ! 蔓が……!!」



蔓に胴体を締め上げられ、悲鳴を上げて転がり回る男たち。
少女が持つ神にも等しい恐ろしい力を目の当たりにした村人たちは戦慄した。



「ヒッ……!?」



武器を放り投げ、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う人間たち。
自分たちの犯した罪から逃げるように去っていく彼らの背中を、少女はただ冷たく見送るだけだった。




静寂が戻った荒れ果てた家の中で、彼女は冷たくなった母の亡骸を抱きしめ三日三晩、ただただ泣き続けた。





彼女が流す涙と激しい慟哭に合わせ、島の天候は狂いに狂った。
空は漆黒の雲に覆われて絶え間なく雷鳴が轟き、滝のような大雨と猛烈な嵐が島全体を襲い、甚大な被害をもたらしていった。
まるで島そのものが少女の悲しみに共鳴し、哀悼の意を表しているかのように——。





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