第2章 地獄の三日天下
「この手紙…どうして今なんだ」
「信長殿から、自分が不在の時に十兵衛がここに戻ったら渡してほしいと。」
「……っ」
「『吉田ならいつ十兵衛が戻ったか、情報は入るだろう?』と…」
何度叩いたか解らない。もう光秀のこぶしも赤みを帯びていた。
「私は……っ」
そうだ…殿が入る前日に連歌の手紙…どうして今なんだ」
「信長殿から、自分が不在の時に十兵衛がここに戻ったら渡してほしいと。」
「……っ」
「『吉田ならいつ十兵衛が戻ったか、情報は入るだろう?』と…」
何度叩いたか解らない。もう光秀のこぶしも赤みを帯びていた。
「私は……っ」
そうだ…殿が入る前日に連歌会をしていた…そこで…私は何を詠んだ…?
【ときは今 あがしよしる 五月かな】
何を思ってそれを詠んだ…殿の気持ちも知らす…最後まで信じてくれた殿に向かって…討つ謀反の決意を込めた詩を詠んでいた…