第2章 あなたがいるから
S side
キュッと靴が床に擦れる音がする。
誰かダンスの練習をしてるのかな?
と少しレッスン室を覗いてみる。
回る度に靡く、
肩にかからないほどのサラッとした髪。
鍛えられていることが伝わる体幹のブレの無さ。
なのに軽くフワッとした印象を持たせる動き。
儚くて今にも消えてしまいそうな雰囲気。
僕は彼から目が離せなかった。
それからどのくらい彼のことを見つめていただろう、
ふと、僕の視線に気づいたのか彼は振り返る。
僕は慌てて壁に隠れた。
彼の事は少し知っている。
大野智。
その日から僕の頭から離れない存在になった。