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すいめいのひと

第13章 白露



パンを食べ終えた後、義勇くんにソファでくつろぐよういわれたので、お言葉に甘えてソファに座らせてもらった。

する事が無くてそわそわしていたらすぐに義勇くんもやってきて私の隣に座ったのだけど…距離が近い。
腰同士がピッタリひっついている。
なぜこんな近くに…?

義勇くんはなんでもなさそうな顔をしてテレビのリモコンに手を伸ばしスイッチを入れた。

「何か見るか?」

「…大丈夫です!」

「そうか」

「義勇くんはよくテレビ見るんですか?」

「あまり見ない」

「そうなんだ…」

イメージ通りだなぁ…

義勇くんは何度かチャンネルを変え、朝の情報番組が映ったところでリモコンを置いた。
グルメ特集がやっている。

「そういえば、お昼にご馳走する約束の鮭大根、どこに食べに行きましょうか?おすすめのお店あります?昨日の居酒屋はまだやってないだろうし…」

「………」

「……義勇くん?」

「……名前が作ったやつが食べたい」

ギュンッ

ぐああああああ
また心臓がねじれたよぉおおおお

「私の手料理?!」

「……」(コクリ)

「お口に合うかわからないよ?」

「……名前のがいいんだ…」

だめか?とまた上目遣いできかれちゃあ、
もう頷くしかないって…

「じゃあ、材料買いに行かなきゃ」

「材料ならある」

「え?あるの?!」

「鮭大根の材料は常備してある」

「すごいね…」

そんなに好きなんだな、鮭大根…
絶対美味しくせねば…

まだお昼ご飯を作り始めるには早い時間なので、手持ち無沙汰である。
義勇くんとの距離が近いのもあって困ってしまう。


「あの…義勇くん?」

「なんだ」

「ちょっと、距離が近いなぁって」

「………嫌だろうか」

「いや、全然嫌じゃないけど…義勇くんがくつろぎ難くない?」

「俺は今とてもくつろいでる」

「そ、そうですか…」

なんだかのらりくらりとかわされている気がする。
この状況をなんとかせねば…
落ち着かないし何かやることを探したい…

「名前」

どうしようかと考えていたら、義勇くんがこちらを向いていた。

「なぁに?」

「…また、あれをやってくれないだろうか」

あれ?
あれってなんだ…
頭をフル回転させて心当たりを探すが、わからなかった。
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