第7章 雫
「おはようございます!」
「...おはようございます...」
今朝の撲滅運動はしな…義勇さんだった。
朝から推しに会えて幸せである。
「この間は…すまなかった…」
「なにがです?」
「宇髄と、胡蝶が…嫌ではなかっただろうか」
「あぁ、全然!!とっても楽しかったです!」
「そうか…」
ほっとするように、義勇さんは微笑む。
あぁ、これこれ!!!この笑顔…やはり私の推しが1番…!!!!
「……」
「…」
沈黙。
どうしよう、いつもならここで「今日もお互い頑張りましょうね」とかなんとかいって別れるけど、カナエさんに仲良くしてあげてと言われているので、なんだか別れづらい。
これは、私から頑張って踏み込んだほうがいいだろうか。
「あの…」
「!…なんだ」
くっ…かわいい…
話しかけただけで顔がぱぁっと明るくなった。
心なしか周りに花が咲いてるようにみえる…
なんだが…可愛過ぎて義勇さんっていうより義勇くんって感じだな…
口下手で友達が少ないから、話しかけてもらうだけで嬉しいのかな…
てかいくら口下手でもこんだけ見目良くて可愛ければ人は寄ってきそうなものだけど。
…この可愛さが伝わりづらいのか...??
「…私の名前、覚えてます?」
「当たり前だ………………苗字さんだ」
あぁ〜苗字の方で認識してる!!
こちらが名前で呼びにくい状況だ…
しかも当たり前と言いつつちょっと間があったから忘れてたなこれ。
無理もない。よく会うとはいえ平日の朝だけだし、向こうからすれば私はちょっと話すだけの通行人、頭に残りづらい存在だもんね。
そもそも、本当にこの人は私と友達になりたいのだろうか??
カナエさんの勘違いの可能性ない?
いくら友達がほしいからってこんな素敵な人が私なんぞを選ぶだろうか...
「...すまない、違っていたか?苗字名前さんだと思っていたんだが...」
もんもんと考えていたら、義勇さんが少し焦った様子で聞いてきた。
いけない、推しを不安にさせてしまった。
「あってますよ!嬉しい」
義勇さんがまたほっとした顔で微笑んだ後、すっと真顔に戻った。
「俺の名前は...覚えているだ「冨岡義勇さんですよね!!!!」...そ、そうだ」
忘れるわけないでしょうよ!!!
推しの尊い名を!!!!