第4章 波紋
マフラーだけではまだまだ寒いだろうと、手に持っていたカイロも差し出した。
「さすがにそこまでは...」
「大丈夫です!私歩いて体あったまってきたし、手はコートのポケットに入れれば寒くないんで!」
ね?と聞いてみれば、おとなしく受け取る竹刀先生。
この人、なんだか母性をくすぐるというか...末っ子気質な面があるのかもしれない。
無性に世話を焼きたくなる!!!
・クール
・不器用
・コンプレックス
・髪の毛襟足長い
・末っ子属性 ← New!
最高かよ...
「絵が、上手い...」
「へ?」
竹刀先生が手渡したカイロを見つめてからこちらに向けた。
カイロの端っこに、油性マジックで描かれたキツネの絵。
そうだった、家を出る前に、出しっぱなしだった油性マジックを片付けようとして、なんとなくついでにカイロに絵を描いたんだった!
いい歳してカイロに落書きしてるの見られて恥ずかしい...
「ごめんなさい落書きです...恥ずかしぃ...」
「これで落書きなのか」
「う...あ、私今日はこれで!さよなら!」
感心したようにまじまじと見られ、なんだか居た堪れなくなり足早に去った。
ある程度進んだところでちらりと振り返るとカイロを見て微笑む竹刀先生を見て遠距離でも無事昇天した。