第4章 強かな婚約者
一条昴に苛々してた事に嫌気がさして、悟はまた椿から気持ちを離した。
結局、悟が落ち着き、椿のことを考えないでいられる時間は『そういう事』をする時だけなのだ。
「椿さん来ました。」
五条悟のマンションから200m離れた、同じ高さのマンション。
その一室に望遠鏡を覗いた一条昴の姿と。
その後ろに仁王立ちしている椿の姿があった。
「……こんな遠い場所からじゃ何も分からないじゃない。」
2人は今、悟に呼ばれただろう女性がマンションの中に入って行くのを確認する。
「……これ以上近付いたら、五条さんに気取られます。」
昴のその言葉を聞いて、椿はため息を吐いた。
本当にそうなら、もはや五条悟は人間として認識して良いものだろうか。
椿の肉眼からは、200m離れた悟の部屋が何処なのか、マンションのエントランスが何処なのか認識出来ないのだから。