第2章 イかれた婚約者
「ああああああああー!!」
深夜に椿の声が屋敷に響き渡った。
「どうした?」
椿の寝室の前には数名のメイドが困った様にオロオロしている。
昴はすぐに駆け寄ると、椿の様子をメイド達に聞いた。
その間も部屋の中から椿の叫び声が響いている。
「………いつもの…発作だと思います…。」
青い顔をしてそう告げるメイドに、昴は目を細める。
「後は俺がやるから、もう下がっていい。」
昴はメイド達が去ったのを確認して、寝室のドアを開ける。
途端に大きく聞こえる椿の叫び声と、ベッドから転げ落ちたかの様に頭を抱えながら椿が蹲っていた。
「…… 椿さん…。」
昴はすぐに椿の元に行くと、抱き抱えて椿を起こした。
「……昴………。」
荒い呼吸をしながら、椿は虚な目で昴を見上げた。
その目の焦点は合っていない。