第2章 イかれた婚約者
悟が椿を押すと、ソファの肘掛けに椿の腰が当たった。
それを無視して、更に悟は椿との距離を詰めると、椿の体はソファに倒れた。
椿が結婚したい理由は分からなかったが、あのキスで分かった事は1つ。
キスはどうやら初めてではない様だった。
少しも悟に関心を寄せない椿の理由に、男の影が見え隠れする。
「…2年間…君はどんな妻になるつもりなんだ?」
悟の手がそっと椿の胸元に触れた。
「……あなたの望む妻になれるはずよ…。」
先程より頬は紅潮していたが、悟を見るその目はまだまだ眉間に皺を寄せている。
悟はそんな椿を見下ろしながら、微笑した。
「僕が自分の妻に何を望むって?」
器用に片方の手で、ピッチリ閉まっているボタンを一個一個外していく。
「………………。」
椿は悟の言葉に返事をする余裕が無いほど、外されていく胸元を見ている。