第2章 イかれた婚約者
「『アレ』を見て、言う事はそんな事なのか?」
「何か…私が悪いことをした様な言い方ね。」
スッと椿の目が伏せられた。
言われようのない文句に椿の顔に不満が見える。
「別に…今さらあんな事で婚約を解消しないわよ……。」
僕を好きならそうだろうー。
なら、浮気をした自分の方がやはり悪い。
悟はそう思いながら、椿から手を離した。
「初めてな訳じゃ無いし…。」
「え?」
椿の言葉に驚いた様に悟は声を出した。
「貴方が他の女性と関係を持つのは、初めてじゃ無いって言ったのよ。」
真っ直ぐ自分を見てくる椿に、悟は固まった。
「何驚いてるの?知らない訳ないでしょう……。」
悟の間の抜けた顔に、椿は眉を顰める。
いや……本当に。
椿には気付かれていないと思っていた。