第2章 イかれた婚約者
椿に浮気現場を見られて以来、悟は椿へ会う為の連絡を入れていた。
椿からの返事は『忙しい』だけで、結局1ヶ月椿と会えなかった。
伊集院家から回ってきた仕事の報酬の入金を確認する。
正規料金の振込金額に、悟は目を細めた。
椿が何故自分と会うことをしないのか考える。
椿が忙しいのは知っている。
大学在中の際から、自分の会社を何社も経営しているのだから、椿に休みなど無いものだった。
それでも、悟との約束の際は、時間を作り会っていたはずだ。
それなら……やはり怒っているのだろうか…。
椿が悟の浮気に怒る姿など想像出来なかった。
悟は腕を組んで、トントン指を叩いた。
結局は、直接会いに行かなければ、椿が何を考えているかなんて分からなかった。
何も言われない事が不気味で、悟は椿へ会いに行く事を決意した。