第1章 五条悟の婚約者
「ダメですよ、悟さん…。」
そうクスクス笑う女の腕は、言葉とは裏腹にしっかりと悟に巻き付いていた。
「何でダメなの?僕の部屋に入って来たのは君の方じゃないか。」
悟は妖艶に笑っている女の唇を塞ぐと、その細い腰に腕を回した。
ピクッと女の体が反応して、甘い声は吐息に変わる。
「だって、悟さんにはあの女がいるじゃない。」
『あの女』と言う言葉に、悟の眉がピクッと動いた。
それでもすぐに表情を戻すと、続きを楽しむ様に女と絡み合う。
「本当に、悟さんにあの地味な婚約者は似合わないです。」
まだ続く女の独り言に、悟は返事をしないで、さっさとその服の中に手を入れる。
女の子はいい匂いがして、抱いていて気持ちがいい。
ちょうどその地味な婚約者を忘れる位には、この情事も楽しめる。
「見ました?さっきの服装も、今日は悟さんの23歳の誕生日なのに…。」