第7章 慕情
悟は我慢していた何かが弾けるように、柔らかい体に顔を埋めた。
綺麗な形の胸を手におさめながら、触れた場所がないほど唇を押し付ける。
椿の唇から甘い声が漏れると、余計に掻き立てられる情欲に苛々しながら、もっと聞きたいと相反することを思った。
ーこの女はいつも僕の理性を乱している。
情欲だけじゃない。
自分の浮気を見過ごされた時だって、無視できない位に胸が騒いで会いに行ったのは悟からだった。
自分の側で寝られないと言うなら、起きてればいい。
腕の中から逃すつもりはないのだから。
そして気力が尽きて気を失っても、この腕を離すつもりもなかった。
椿は悟の指と舌に翻弄しながらも、薄っすらと目を開けた。
自分を執拗に責め、椿の反応を確かめる悟と目が合う。
薄暗い部屋の中で綺麗な悟の六眼だけがはっきりと見えた。
青い虹彩に銀色の破片が散りばめられているようだった。
その角度を変えて光る彼の瞳の中は、初めて悪夢を見た朝に手に握っていた、ガラス玉を思い浮かべさせた。