第7章 慕情
何も入っていないことを示すと、もう一度ペットボトルを椿の口元に押し付けた。
椿は差し出されたペットボトルの口を見た後に、悟の顔を見上げた。
その時の椿は、信じられないものを見たように顔を顰めていた。
「…口を付けたものを人に飲ませるなんて正気?」
「…………。」
なるべく、笑みを消さないように我慢していた悟の首筋に薄っすら青スジが浮かんだ。
悟はもう一度ペットボトルの水を口に含むと、椿の後頭部を掴んで、細い首を後ろに倒した。
「!」
悟が何をするのか警戒する暇もなく、彼の濡れた唇が椿の唇を覆った。
ヌルリと唇を割って入ってきた悟の舌は、細く縮こまった椿の喉奥に無遠慮に入ってきた。
悟の舌から水が伝って、椿の喉奥を濡らしていく。
無遠慮に入ってくる水に咽喉を満たされて、伸縮した喉に生温い水が喉元を通っていくのが分かった。