第6章 狂気の月
(……笑える……所詮夢にここまで頭の中を操作されて……。)
夢とは違う事が起こる度にそう思えるのに。
やはりどうしても、アレがただの夢とは思えない。
「……椿…、考えごとに夢中だね。」
「!」
悟のその言葉で、やっと椿は、悟が自分の顔を覗いている事に気が付いた。
(……あ……まずい……。)
そう思った時はもう遅くて、恍惚に満ちていたはずの悟の目は細くなっていた。
悟は知っている。
椿とこうなる前に、散々他の女と情事を繰り返してきたのだから。
寝た女全て、行為が終わってもずっと悟にその情欲を向けていた。
なのに椿は行為が終わればアッサリと、気持ちを冷ましている。
椿の態度は女達に対して自分がしてきた態度だったから。
いかに椿が今、悟に興味が無いか、手に取る様に分かる。
「っん…っ悟、待ってっ!」
また情欲を込めたキスをしてくる悟に、今度は抵抗する様に手を置いた。