【ヒロアカ】Until You Live【爆豪勝己】
第1章 .
爆豪は一人、白い骨壷を腕に抱いたまま、雨に濡れるのも構わず外へ歩き出した。
クラスメイトが傘を差し出そうとしたが、骨壷を愛おしそうに抱え、狂ったように雨の中へ踏み出す爆豪を、誰も止めることはできなかった。伸ばされた手が、虚しく空を切る。
冷たい雨が爆豪の金髪を容赦なく濡らし、制服を身体に貼り付かせる。ただ、骨壷だけは胸の奥に抱き込み、壊れ物を守るように庇っていた。
傘も差さず、行く宛てもなく、ただひたすらに歩いた。靴の中に冷たい水が溜まり、足の感覚が消えていく。
雨に打たれながら、ぽつりと呟いた。誰に聞かせるでもない、完全に壊れてしまったような声だった。
「俺の誕生日に、葬式するやつがあるかよ……」
骨壷を抱く腕に、ぎちりと力がこもる。
「お前にまだ、何も言ってねえのに。なんで……なんでお前っ、いなくなんだよ……っ!」
街灯の下、雨に煙る世界の中で、少年はただ立ち尽くしていた。涙なのか雨なのか、もう分からない雫が、絶え間なく頬を伝い続けている。