第10章 狼狽の行方
◇◇◇
「ねえ、ごめん、わたしもしかして普段ちかすぎ?」
「へっ」
シシィに一連のことを謝りたい。
しかし、色々な意味でそのまま伝えるわけにも……と延々と考えていたノルバートは、突然のその言葉に声が裏返りかけた。
「だって、なんか昨日くらいから、遠いから……」
伝え方を考えすぎるあまり、無意識に距離が不自然になっていた。
「あっいや、そんなことは、ないし、君のせいとかじゃなくて……!」
不安にさせてしまった。
そして、ノルバートは咄嗟に言葉を組み立てようとし、さらに失敗した。
「こっこれは、僕のほうの問題であの、友達からほとんど彼氏面してるって指摘されて……その、ええっと……違うごめん、説明する……!」
勝手に君の人間関係を狭めてしまった、変な人を弾くつもりで目が曇って、誰とは言えないけど君のことを……
「……べつに」
聞き終わる頃、シシィがぽそ、と呟いた。
「彼氏面、いいよ。してても……」
「え」
今……なんて言った?
「ち、ちが」
「いまのはっ! いつもの、いままで通りでいてよっていみ! だって、知らない人いっぱいきたら疲れちゃうし……!」
そう訂正するシシィの声は上擦っていた。
「あっ……? うん、そっか。じゃあやっぱり、普段通りに、します……」
返事をしたノルバートも、声が小さかった。