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閉店屋の恋は進まない

第7章 解禁できない


 夜。

 あ、危なかった……。

 つい一歩、過ぎた行動に至りそうな……そういう日だった。

 ノルバートは寝る準備を済ませた後、いまだに続く夢の余韻と闘いながら今日のことを思い出した。

 「……撫でてあげよっかなって」

 ……あれ、びっくりした。

 あの言葉。あの距離。

 日中は咄嗟に弱った顔で誤魔化したものの。
 一瞬固まってから意味を理解した瞬間に、奥で冷め損ねたままの熱が盛大に尻尾を振ったのを、あの時、彼ははっきり感じた。

 いや、それよりも。

 ……不安に……させてしまったかな。

 シシィは周りの人がいつもと違うと、けっこうすぐに気づく子だ。

 しかし理由までは……たぶんばれてはいない、はず。今回は。

 そして、彼は深く布団を被り直す。

 ちょっと夢に見ただけでこんなになるなら。

 やっぱり……

 想像でも、全解禁は……無理だ!


◇◇◇


 一方、同じ夜。
 女子寮の三階、一番端の部屋。ここも、まだ灯りがついていた。


 ……シシィ。

 低い声。

 握りしめた手を優しくほどいてくれる、長い指。



 って、

 キャー!!

 ばかばか! 何考えて。なに!

 本当に恥ずかしい。

 ほんとになに。

 でも、やっぱ、好き……。


 色々と想像しては恥ずかしくなって、何回も枕を抱きしめる。

 シシィも、もうしばらく眠れそうになかった。
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