SW異銀河から落ちてきた言葉の通じない謎の親子を保護しました
第4章 襲撃、それからタイムリミット
ディンは黒いフードの奥で、差し出されたスケッチブックをじっと見つめた。
そこに描かれた自分とグローグーの楽しそうな姿に、ヘルメットがわずかに揺れる。
「ここに、残ってもいいんだよ。ディン」
星子はコタツのあたたかな温もりの中で、真っ直ぐにディンのバイザーを見つめて言葉を紡いだ。
「元の世界がどれほど大変な場所なのか、私には全部は分からない。でも……あんな白い兵士たちがまた襲ってくるような場所に、大切なグローグーを連れて帰るのは危ないよ。ここなら、そんな心配は一切ない。みんなディンが大好きだし、グローグーだって、美味しいものをいっぱい食べて、いつもあんなに笑ってる。だから……もう命を狙われて逃げ回る必要なんてないんだよ」
それは、この2年近く二人の優しさと誠実さに触れてきた、星子の心からの本音だった。
「残りの二ヶ月が過ぎて、あの裏山の洞窟が閉じちゃっても構わない。ディン、元の場所に帰らなくても、ずっとここで、みんなで一緒に暮らそう」
星子がそう言って優しく微笑むと、居間にはストーブの上のヤカンが鳴る静かな音だけが響いた。
ディンは無言のまま、長い沈黙を保っていた。
ヘルメットの黒いバイザーの奥で、彼は星子の言葉を、そして目の前のイラストを、とても深く重い心で受け止めているようだった。