【重め溺愛共依存】ぼくに夢中になってよ。【えっちなのばかり】
第11章 圧倒的適応/呪術_魔虚羅
ガチャン――。
法輪が、静かに回転の音を立てる。
圧倒的な破壊の象徴であり、最強の式神である異形の存在・魔虚羅。並の術師であれば、その圧迫感だけで呼吸すらできなくなるはずの存在。
しかし、そのような式神を前にしても少女は一切怯えることなく、その巨大で白い手に小さな両手を添えた。
「まこらちゃん、今日も守ってくれてありがとう」
ふんわりとしたひだまりのような笑顔。
ささやかなぬくもりが、魔虚羅の硬質な皮膚へと伝わっていく。
言葉を持たない巨躯の式神は、じっと彼女を見下ろす。
『……――』
魔虚羅は、人間を軽々と握り潰せるその大きな指先で、壊れものを扱うかのように優しく、彼女の頬を撫でた。
言葉は出なくとも、式神は伝えたかった。
(――お前を脅かす全てを、この世から消し去ってやる。)
重く、深く、どこまでも一途な愛の意志を。
「ふふ、まこらちゃんの手、おっきくてあったかいね」
そんな式神の深い感情を知って知らずか、少女はその大きな手のひらに顔をすり寄せて目を細める。
ガチャン、と式神の頭上の法輪が回転する。
それは本来、あらゆる攻撃や理を無害化するための「適応」の音。しかし今、その法輪が回転するたびに巨躯の式神の内に芽生えたのは、目の前の少女に胸を撃たれたかのような攻撃的な愛らしさに対しての、「欲望」。
「……あ、まこらちゃん……?」
手のひらに顔をすり寄せていた少女の肩が、びくりと跳ねる。
人間など容易く握り潰せる白銀の指先が、彼女のうなじへと滑り落ち、肌を撫で上げたからだ。
熱を帯びた重く湿り気のある撫で方に、少女の吐息がふっと乱れる。
『……――』
声にならない低音が、魔虚羅の胸の奥から振動となって響く。
巨躯の影が少女を完全に覆い隠し、逃げ場を無くすように二人だけの空間を作り出した。