第17章 お風呂編
お湯はたっぷりあるため、まず簡単に自分の体を洗う。
それから小さな桶にお湯を汲み、ルドガーの体にかけていった。
「……正直お前に濡れた姿を見られるのは、すごく恥ずかしい。きっと格好悪いぞ」
「そんなことないよ。……可愛いー! なんか子供みたいになった!」
獣の彼は手も足腰もかなり強く筋肉質なため、毛が濡れてもほとんど小さくなっていない。
狼のようにとがった鼻先は凛々しく、金色の大きな瞳はやけにセクシーにも見えた。
「ねえ泡気持ちいい? セロさん、獣用のソープまで用意してくれたんだよね。感謝だねえ」
「そうだな。肌に優しくてよさそうだ」
彼がこんなものを持っているのは、もしかしてナザルも使っているのではないかと想像した。
「あなたを洗うの楽しすぎる!」
「ははっ。お前がはしゃぐ姿は本当に可愛らしいな。……そうだ、人化した俺のことも洗ってくれていいんだぞ」
「ちょっ、何言ってるのよ、えっち!」
あなたが赤くなると、獣の彼は楽しそうにくつくつと喉を鳴らした。
座ってくれていた彼をお湯で流し、いよいよ二人でお風呂に入る。
そのとき、ルドガーは浴槽のそばでまたしゃがんだ。
「、俺がこのまま入ったら、きっとお湯がたくさんあふれてお前が押し流されてしまうかもしれない。だから俺の背に乗れ。掴まったまま、桶の中に入ろう」
あなたはその提案に目を丸くした。
彼に掴まったことなんてないし、ほんとにいいのだろうかと。
「ルドガー、私が上に乗ったりして嫌じゃないの? あなたは誇り高い獣なのに」
「嫌なものか。危ないことはしたくないが、お前には何されても平気だ。ほら掴まれ」
男らしく誘導されて、あなたは感激に包まれる。
なんだか彼にも自分をさらに深く認めてもらった気がした。
そうっとまたがって両手で体を掴んでいると、突然前後がぐわんっと二度傾き目線が一気に高くなった。
「わ、わ、わっ」
あなたが前かがみになって掴まろうとすると、彼の耳の後ろの黒い波のような角が、勇ましく目の前に現れた。
はっと言葉を失う。
ここからの視界は、幻想的で神秘的で、簡単には触れられない特別なものに感じた。