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巨体の人外に助けられて世話される話

第17章 お風呂編


「あいつが? やるわけねーじゃん。面倒くさがりで俺の素晴らしい商才を全く理解しない奴だぞ? ……はあ、あいつも少しはお前みたいに合理的な頭があればいいんだけどなぁ。ここまで単純なのは嫌だけど」

ただでは転ばないセロがため息を吐くと、ルドガーの血管は少し浮き出ていた。

しかし自分の研究能力においては前向きなセロは、「よっしゃまた商品自作すっか!お前ら見てるとどんどんアイディアわいてくるわ」などと怪しげなことを言い、満足気に帰って行った。

あなたとルドガーは顔を見合わせ、ひとまず入浴の準備をする。

「なんだかセロさんとナザルさんの関係って、不思議だねえ。あんまり仲よくないのかな」
「さあな。少なくとも俺たちより仲がいい獣と人間のペアはいないだろう」

ルドガーがシャツを脱ぎ、逞しい背中を晒しながら述べる。
確かにそうかも、とあなたはくすりと笑み、自分も脱衣していた。




ルドガーは約束通り、濃い青毛の大型獣へと姿を変えた。
換毛期が終わったばかりで獣毛はつやつやである。

「嬉しい~久しぶり! 気持ちいいよ~」
「お、おい。さっそく毛の中にうずまるな。お前が見えなくて落ち着かなくなるだろ」

うろたえる大きな獣に、あなたは愛おしさがつのる。
さっそく湯気がのぼる桶に入ろうとするのだが、あなたは自分の姿を疑問に思った。

「ねえねえルドガー。どうして私、タオル巻いてるの? 裸じゃダメなの? 鍵閉まってるし、ちゃんと外の扉にも看板つけてるよ、『&ルドガーの大浴場』って」

恥ずかしげもなく事実を言ってしまったが、番同士なのにこの恰好の違和感もぬぐえない。

だがルドガーははっきりと首を振った。

「お前はそれを巻いていろ。一糸まとわぬ姿はなんというか……獣の俺のそばにいてほしくない」
「ええっなんでよ、危なくないでしょう別に」
「いいんだ。お前の隣には人化したオスの俺でいい。今はこのほうが健全だ」

細かいこだわりがある彼に、少し首を傾げたが、結局あなたは納得をした。
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