第16章 獣化編
舌をからめて、ずうっとキスをする。
もうそれ以外、いらなかった。
二週間も叶わなかったのだ。
獣の彼と一緒にいて、全部が愛に包まれて満たされていた。
でもこうして抱かれていると、あなたは知らず知らずのうちに溶かされ、目の前の彼のことしか考えられなくなってしまう。
ベッドの上であぐらをかいた彼の腰にまたがり、あなたも太い首に手を回して甘いキスを求める。
けれど彼は一瞬力をほどいて、上気した顔であなたの頬をなであげた。
「やだ、やめないで…っ」
「すまん、繋がらせてくれ、お前のもとに帰ってきたのだと実感したい」
彼はあなたが思う以上に、限界が近づいている。
なんとか理性をとどめ、小さな体を大事に扱おうとしている。
獣の自分にできたのだから、今できないはずはない。
それでも欲しくてたまらない。
だからあなたに許しをもらうと、ネグリジェを優しく脱がして自身の上に招いた。
「ああっ……ルドガー、はいっちゃう……!」
「……くっ……そうだ、やっと一緒だぞ、…!」
がっちりした腕があなたの背を抱え、下からゆっくりと気遣うように揺らしてくれる。
視線はあなたのほうが少し下で、たまに見つめ合うと恥ずかしくてたまらなくなった。
「はぁ、んん、ゆっくり、あぁ」
「ゆっくりだ、お前をたっぷりと味わいたい」
甘い声で囁き、あなたはくらくらと揺れる。
彼の口元があなたの耳をそっとついばみ、キスしてくる。
声がもれてぞくぞくする身をよじり、初めての感覚に陥った。
大きな手も長い腕も、目の前に広がる胸板も。
まるでもう一度ルドガーを知ったみたいに、熱い恋に落ちていく。
「どうした、…? なぜ顔を隠すんだ? よく見せてくれ」
「やあ……だってあなたが……」
「俺がなんだ? どこか、変わってしまったか?」
律動で呼吸を浅くしながら、彼が心配そうに尋ねてくる。
あなたは首を振り、頑張って目を合わせた。
「あなたが、すごく格好いいんだもん……っ」
顔を真っ赤に染めながら伝えると、その赤さはルドガーにも伝染する。