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巨体の人外に助けられて世話される話

第16章 獣化編


森に来て二週間が経った頃。あなたはいつも通りベッドの中で目覚めた。
だが、床で寝ていたはずのルドガーがいない。

「……どこ? 今何時だろう……」

時計を見るともうすぐ昼で、寝すぎてしまったようだ。

目をこすりながらログハウスのリビングに向かった。
ガラス張りの向こうは雨が降っていて、森の風景が薄暗い。

「ルドガー、狩りに行っちゃったのかな。こんなに雨降ってるのに」

大丈夫かな。濡れないかな。

獣の彼は無敵なはずだが、あなたはぽつんと部屋に残され、外を見て佇んでいた。

換毛期が始まった夜みたいに心細くなり、クッションを抱いてその場に座る。

「一人にしないでってば……」

まだ眠くて、その体勢のまま横に倒れた。
そしてあなたは、暖炉が温かな部屋で、体を丸めて眠ってしまった。

しばらくして、ネグリジェにガウンを羽織っただけの小柄な体は、ひょいっと持ち上げられる。

太く逞しい腕に大事に抱えられ、大きなベッドに戻された。

シーツの上で、風呂上りで熱気のこもった体が、あなたをぎゅうっと抱きしめる。

ずっとずっと、待ち望んだ瞬間だ。

彼はしばらくそうしていたが、胸の前で安心して眠る愛おしい寝顔に、早く起きてほしくなってしまった。

「……。俺だぞ。ただいま」
「ん……ぅん……ルドガー……」

自分の名が小さな口元から出たとき、もっとも体が燃え上がりそうになった。

抑えていた想いが、彼の唇を動かし、あなたとの繋がりを得ようとする。

「…んっむ……は、あ……」
「ああ、どうか起きてくれ……」

するとようやくあなたは薄ら目を開ける。
そして、にこりと笑いかけた。

「ふふふ……また夢見ちゃった……だめだよ、獣のルドガーが焼きもち妬いちゃう……」

彼が目を丸くしていると、あなたはだんだんと、自分を抱く体がやけに熱いことを感じた。
これは本物の体温だ。

「え……。なに…? どういうこと?」

さっきまでリビングにいたはずだが、どうやってベッドに来たのだろう。
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