第16章 獣化編
あれからルドガーには、守護者と会話したことを伝えた。
彼は驚いていたが、あなたの満たされた表情から、不穏なことは起こらなかったと安心したようだ。
「では、いつか守護者とも会えそうなんだな。よかったな、」
「うんっ。なんだか独特な立場にいそうな人だけど、だいぶ打ち解けてきたし、怖くはないと思うよ」
守護者との会話で感じた信頼から、そんなふうに楽しく話す。
暖炉前に横たわるルドガーの毛並みに寄りかかり、すっかりのんびりしていた。
「……確かに俺達の時間を、まあまあ尊重してくれているような雰囲気はあるよな」
「でしょうっ? だからきっとうまくいくよね」
あなたがまとう幸せなオーラは、二人の幸せな未来への想像に基づいている。
そんな感情が、そばにいるルドガーにも確かに伝わっていた。
このログハウスでの生活も十日が過ぎた頃。今日は特別なゲストが来てくれるという。
あなたは部屋を掃除し、綺麗な服に着替える。ルドガーもブラッシングをして身だしなみを整え、二人で彼の到着を待った。
別荘の外に馬車が停まり、笑顔で歓迎する。
上品な所作で降りてきたのは、ベージュの軍服姿の虎獣人セヴァである。
彼はあなた達を見るなり、青く丸い瞳を細めて手を上げた。
綺麗に整った白毛に、虎の丸い耳。背が高くがっしりした体格で、軍服の後ろからは細くふわっとした尻尾が器用に立っている。
「やあさん、ルドガー。久しぶりだね。元気だったかい?」
「セヴァさん! 元気ですよ、またお会いできてうれしいです。本当にどうもありがとうございました、こんなに素敵なお家に泊まらせていただいて!」
明るく挨拶すると、彼も二人の滞在が滞りないことを喜んでくれた。
「セヴァ。世話になったな。ここは素晴らしい場所だ。俺達が安全に過ごせる」
「そうだろう、よかったよ。なに、二人の大切な友人のためだ、いくらでも力になろう」
そんな風に言ってもらい、あなたは感激に瞳を揺らした。
多忙な彼は軍での職務の合間に立ち寄ってくれたらしく、森を散策がてら話をすることになった。
どうやらセヴァは、二人に見せたいものがあったようだ。