第16章 獣化編
ちょっとしたドラマはまだ続く。
外の森が暗くなり、リビングのガラス窓が幻想的な景色を映し出した頃だ。
ルドガーは室内で寝るらしいが、またあなたと意見が食い違ってしまった。
一人でお風呂に入り、寝間着姿で枕を抱えて彼のそばに来る。
一緒に寝る気満々だったが、彼はまたもや難色を示した。
「だめだ」
「……またぁっ!? どうしてよ、一緒がいい、寝ようよ~」
あなたが甘い猫なで声を出すと、凛々しく佇む獣の顔が一瞬揺らぐ。だが背筋を伸ばして座り、毅然とこう言った。
「お前はこんな大型の獣の危険性が分かっていないんだ。もし小さなお前を押しつぶしたらどうする?」
「でも昨日うまくいったでしょう」
「昨日俺は寝ていない。お前をずっと見ていた」
――ええっ!?
思わぬ事実を明かされ、あなたは汗がじとっと流れた。
彼はあなたに怪我させるのが心配で、あなたが厩舎に来てからはこっそり起きていたのだそうだ。
厩舎には馬たちもいるし、万が一があったら危ないからである。