第16章 獣化編
あなたのサポートにより、最近のルドガーは変化していた。
騎士たちの意見も少しは聞くようになり、任務での器物破損もまあまあ減ったようだ。
そして一番は、彼が自分で報告書を書くようになったことだった。
任務からの帰宅後、彼は机に向かい、真剣な顔で書類作成をしている。
横で見ていたあなたは、仕上がりを褒め称えた。
「わあすごい~。簡潔で分かりやすい! それにルドガーって、意外と字うまいよねえ」
「意外と……? 昔ゼイラン様の屋敷でみっちり教育を受けたからな。普段は字なんて書かないが」
それでどうやって生活してきたのだろうと思ったが、彼も仕事を終えたことに満足気だ。
「お前のおかげだ、。ああいう感じなら俺にも書けそうだと思った。今までは難しく考えすぎてたのかもしれないな」
素直にそう言い、晴れやかな表情であなたを自分の膝の上に乗せる。
後ろから抱きしめられて、彼の気持ちの変化にとても嬉しくなった。
あなたもまだ騎士から時折要望を受けたりして、橋渡しとしての役割は続けていくと思うが、一番はルドガーが納得して仕事に向き合えることが大事なのだ。
「ふふっ。よかったなぁ。これからも頑張ろうね、ルドガー」
「ああ、一緒に頑張るぞ」
そう頷いた彼の笑顔は、騎士団で一人で働いていた頃からは、想像ができないものだっただろう。