第15章 サポート編
「……やっぱり全部捨てろ。ろくなことが書いてないだろ。俺には分かる」
「もう、どうしてそんなこと言うのよ。別に全部聞かなくてもいいんだよ。目を通すだけなんだから」
内容を読んでみると、ルドガーも床の上で隣に座ってくれた。
彼はそんなものよりも、あなたに構ってほしいのだ。
風呂上りの濡れた毛先を指で撫でながら、紙に夢中なあなたのそばに寄り添う。
「えーと、これはいつものやつだね。魔物を鼻で嗅ぎつけて、急に消えるのはやめてほしい。探すのが大変だって」
「あいつらが遅すぎるんだ。俺は俺の仕事をする」
「わかったよ。……あとこれらも、単独行動を控えて協力するようにしてほしい系だ。ほら皆、ほんとはルドガーと一緒に戦いたいんだよ、すごいなぁ〜」
彼に尊敬のまなざしを向けると、彼は少し気恥ずかしそうな、複雑な顔つきをした。
「どうだかな。どうでもいい」
「またそんなこと言って。……あ、でもねルドガー。私、ほんとはこんなふうに仕事に干渉しちゃいけないって思ったりするんだ。つい嬉しくって見てもらいたくなっちゃったけど、騎士さんたちの熱意も伝わるし。……でも、あなたが本当に嫌だったら言ってね。やめるからさ」
気になっていたことを、そっと肩を触り問いかける。
すると彼は、一瞬驚いたように、ゆっくりと首を振った。
「いいや、嫌じゃないぞ。お前に感謝してるのは本当だ。……俺もな、お前に報告書を書いてもらうようになってから、少しは戦い方をマシにしてるんだ。お前に嫌なことを書かせたくないからな」
彼はそうまっすぐに明かしてくれた。
正直あれでマシなほうなのかと驚いたのは内緒だが、あなたは彼の優しい気持ちにほわっと心が温かくなる。
「そうなの? すごいじゃない、ルドガー。偉いね。ありがとうね」
「ふっ。お前がいなかったらこんなことはしていない。……だがな、この前第一部隊長に初めてこう言われたんだ。お前もやれば出来るんだなと。面白いだろう? 絶対に俺を褒めたりしない騎士の幹部だぞ」
ははは、と珍しく無邪気に笑うルドガーの笑顔に、あなたは一人でみるみるうちにときめく。