第15章 サポート編
自分には戦う人の気持ちは分からないし、危険性もすべては理解できない。
無力な人間で、戦場に出たこともないからだ。
けれど騎士たちとルドガーの橋渡しをしていると、騎士らは思ったよりもルドガーの動向に注目しているのだと知った。
それは力のある獣の彼に対する、期待の表れなのかもしれない。
騎士団本部一階の事務局に寄り、従者のマルグと話していた時のこと。
最近要望書が多いことを伝えると、彼は驚かずに、こんな提案をしてきた。
「えっ。ルドガーへの意見箱を設置するんですか!?」
「はい。実は僕も従者になり始めたころ、同じように騎士たちからたくさんの意見要望をもらったんですよ。でもルドガーさんは全く取り合いませんでしたから、皆諦めたんです。でも今なら、何か役に立つんじゃないでしょうか」
そう言われ、あなたはそれもいいのかもと頭を巡らす。
でもまずはルドガーに聞いてみようと、夜に話をした。
すると彼には「好きにしていい。でも俺には必要ない」と言われてしまった。
なのであなたは結局、どんなことになるのだろうという興味のほうを優先し、意見箱を準備することにした。
自分の番であるルドガーのことを、仕事を通してもっと知ることが出来るのではと思ったからだ。
本部一階のロビーにある事務局に、匿名の意見箱を置いてから一週間。
中身を取りにいくと、とんでもないことになっていた。
大小さまざまな紙があふれ、長文やら短文やら、瞬きが止まらなかった。
あなたは困るより先に、嬉しい気持ちがわいた。
皆ルドガーに対してこれほどの熱気をもち、ある意味注目の的なのではないかと。
その書類を抱え、ルドガーが帰ってきたあとに一緒に見ようと考えた。
しかしルドガーはまたもや関心を示さない。
あなたが「見てみて、すごいよ! こんなにたくさん!」と言って開封しても、彼はじとっとした目で意見書を見やった。