第15章 サポート編
そんな充実した日々が過ぎ、あなたは魔術の訓練と並行して彼のサポートをしていた。
すると騎士団領内においても、少しずつ変化が現れた。
なんと騎士たちに声をかけられるようになったのだ。
「ルドガー殿の奥方。おはようございます」
「……えっ? おはようございます! ……ふふっ」
外周を走り込みしているときも、前とは違い見知らぬ騎士が挨拶してくれたり。
もっとすごいのは、紙を手にした騎士らに、時折こんな要請を受けたりした。
「お手数をおかけして申し訳ないのですが、これをルドガー殿に渡してくださいますか。戦闘中の連携についての要望なのです」
「あっはい、もちろん渡しておきますね。ありがとうございます」
ぺこりと小柄なあなたが礼をすると、二人組の若騎士は表情を柔らかくし、礼をして去っていった。
こんなことがあるのだろうか。
女性のあなたは今までほぼ無視されていたのに、確実にルドガーのおかげで少しは役立つことが出来ているように感じた。
だが当のルドガーは、その要望書を見ても、あまりぴんとこないようだった。
「これをお前に? そうか、分かった。目を通しておく。ありがとうな」
そっけなく言われ、仕事を家に持ち込まないタイプの彼は、家ではあなたにくっつき、完全にリラックスした顔でのんびりしていた。
あなたも彼がどうするかは任せているため、自分のすることは果たしたと、とくに気にしないで彼と過ごしていた。