第15章 サポート編
報告書は昼の時間に、ルドガーの従者が部屋まで回収しに来てくれる。
ドア前に現れた彼は魔族にしてはさほど背は高くなく、柔和な顔立ちの青年だ。
「マルグさん、いつもありがとうございます」
「いえ、さんこそ。こちらとしてはとても助かっているんです、本当に感謝します。ルドガーさん、僕の言うことはほとんど聞いてくれませんから。……あっでもこの間、数年ぶりにちゃんと会話をしたんです。低い声で『俺の番に手間をかけるなよ』と念押しをされてしまって。彼の性格が少しわかった気がします」
苦笑する従者に、あなたも申し訳ない微笑みを向けるしかなかった。
「もうルドガーってば。本当にすみません。私も出来ることは協力しますので、マルグさんもなんでも遠慮なく言ってくださいね。本当は彼も、騎士さんたちに感謝してると思うんですよ。自由に戦えるのは支援があってのことだと思いますし」
何度か報告書を書いただけの身で偉そうに言えないとは思いつつも、そう声をかける。
するとマルグは初めて理解者を得たように、感動して瞳を輝かせていた。
「ありがとうございます……! 本当にあなたのようなお話の分かる方が騎士団に入団してくださって嬉しいです! では、これからもよろしくお願いします、さん!」
「は、はあ。入団したかは分からないんですけれども、こちらこそよろしくお願いします」
彼は背筋を伸ばして礼をし、満足気にきびきびと歩いて行ってしまった。
出過ぎたことを言ってしまっただろうか。
しかしルドガーはもちろんのこと、できるだけ両者に寄り添えるようになりたいとあなたは考えていた。