第15章 サポート編
「あの、その報告書、私が代わりに書いてもいいですか? 彼から聞いてまとめれば出来るような気がして」
そう申し出ると、団長は微かに眉を上げる。同時に隣から、ルドガーも目を丸くした。
「えっ……? いいのか…?」
彼が素直にそうもらしてしまうのを、あなたは聞き逃さなかった。
だがもちろんいいよ、とこちらが答える前に、彼は焦って自分の反応を撤回する。
「いや、お前にそんなことはさせられない……俺の仕事だ。面倒事を引き受けたりしなくていい」
「面倒事って、必要な書類なんでしょう。大丈夫だよ、聞いて書くだけだから。……それとも、戦闘中のことまったく覚えてないの?」
心配になり尋ねると彼は否定した。
記憶力はいいがそれを平常時の精神に戻ったときに文章にするのが大嫌いなのだそうだ。
「そっか、ふふ。仕事中のあなたのこと何も知らないから、新鮮だね。じゃあ言葉では教えてくれる? 要約でいいんですよね、団長」
「ああ、構わない。君が担当してくれるなら助かるよ」
さらりと許可を出したキリングに、あなたも安堵し頷く。
だがルドガーは違った不安をにじませた。
「お前が助けてくれるなら、正直ありがたい。……だが、血なまぐさいことをしていると、お前に知られるのは、怖い……」
軍人の鎧をとき、ぽつりと弱音をこぼすルドガーに、あなたは心が震わされた。
「ルドガーっ……」
思わず彼の胸元の近くで見上げ、頬をそっと触った。