第15章 サポート編
ちらっと見るルドガーの横顔は、まるで無愛想である。
おかしい。自分の闘病のときに休暇届を出してくれた彼は、団長のサインもある!と喜んでいたのに。
「あの、団長さん。その節はどうもありがとうございました。休暇届に許可を出してくださって」
「気にしないでくれ。ただ職務を行っただけだ。今は回復したそうだな。なによりだ」
あなたはそう声をかけられてありがたくお礼を言ったが、彼は冷徹な顔のままぴくりともしない。
笑った顔がまったく想像できない人だと思った。ルドガーも獣で元々表情があまりないが、タイプが違うのは明らかだった。
ルドガーは腕を組んだまま不機嫌そうに口を開く。
「それで、今日はなんの話だ。用件を言え」
「……用件を言えだと? 一連の騒動はお前が発端だろう。総勢206名の騎士全体にかかった調査負担がお前に想像できるか。敷地の警備や結界も強化している。偉そうにするな、獣」
低い声で事実を並べる団長にあなたはひれ伏しそうになった。
「申し訳ありません! すべて私のせいなんです!」
「君のせいだとは言っていない。俺はこいつに態度をいい加減改めろと言っているんだ」
「うるさいな……また説教か。俺の主人でもないくせに偉そうなのはどっちだ……」
ルドガーがはぁ、と人を苛立たせるため息を吐き、目の前の美形のこめかみに筋が立つ。
「あぁぁ! あの、ほんとにすみませんっ。うちの人にはよく言って聞かせますので、どうかお許しください団長さま!」
あなたが頭を下げると、ルドガーが腕をギュッと握り、そんなことしなくていいという困惑した顔をしてくる。
しかしあなたには、団長の怒りの背景には何か積み重なったものがあるような雰囲気を感じたのだ。