第14章 疑問編
「見たっつうかそれを助けたのは俺だしな。さすがにあれは酷かったぜ、まあお前があの女の裏をかいて禁術使おうとしたのがまずかったんだろ」
「ばっ、今それを言うんじゃねえよっ」
二人の小競り合いに、あなただけでなくミザロも首をひねる。
「禁術? あなたにそんなものが扱えるんですか。私にも教えてくださいよ」
「嫌です。さあ今はこの匂わせババアたちの推理しましょう先輩」
「ちょっとセロさん、もうちょっと柔らかい言い方してくださいよ。守護者さまは良い方ですよ、きっと。だって私たちの応援団だもん。ねえルドガー」
あなたは緊張感のある会議の場でも、つい表情が緩んでしまう。最近はずっとこうなのだ。
たった1枚のハンカチが守護者との距離をぐんと近づけた気がして、嬉しさを隠せなかった。
隣に制服姿で座っているルドガーは、あなたに大きな体を向けてくる。
彼はいつも通り職務中の緊張感を崩さないが、幸せムードをまとうあなたに優しく指を伸ばし、頬を撫でた。
「ああ、俺もいい奴であることを願うさ。」
「うんっ」
微笑むあなた以外は皆、ルドガーがまだ疑いを持っていることに気づいている。
彼はジュリスとミザロに向かって、こんなことを言った。
「この紋章、お前達にも心当たりがないか。俺は見たことがないんだが。貴族の家紋や騎士、魔術関連の類の可能性はあるか」
「……うーん、俺にも見覚えはないな。ミザロもか?」
「ええ。不思議ですね。魔術の知識ならば、私が劣ることはそうそうないのですが……」
ルドガーも思案をし、やがて提案する。
「ならばやはり、ゼイラン様に伺ってみよう。もし貴族に関連するものならば、あの方なら何か分かるかもしれない」
その名を聞いたとき、ジュリスは姿勢を正した。
「うん、それがいいだろうな。だが……君は守護者が、上位貴族の関係者である可能性を考えているのか?」
ルドガーは即答も否定もしなかった。
確かにあのホテルには魔界で爵位のある者達が集まっていた。
そういうコネでもなければ、たとえミザロレベルの魔術師でも、侵入が見つかったらただでは済まされないのだ。