第14章 疑問編
後日、作戦メンバーが久しぶりに集まった。
場所は騎士団本部にある格式張った木目調の会議室だ。
第二部隊長である金髪の色男ジュリス、黒ローブの魔術師ミザロが揃い、あなたとルドガーも彼らと円卓を囲んでいる。
向かいには背筋の丸いセロと赤髪のナザルが大きな態度で座っていた。
「皆さん、これなんです。守護者さまから頂いた奇跡のハンカチ。どうですか、何か感じますでしょうか……」
あなたが満を持して白いふわっとした上質なハンカチを真ん中に置いた。
すると全方向から、穴が開くほどじろりと見つめられる。
「なるほど……確かに質の良い、素晴らしい品に見えるな。、これを君に渡したのは、魔術師らしき女性だったというのは確かかい?」
「はい、たぶん。師匠みたいな気配のなさでしたから。ルドガーも匂いがなかったって」
「そうだ。出口にいてもその女は出てこなかった。きっと魔法で消えたんだ」
改めて説明すると、皆が考え込む。
ミザロはそのハンカチに手を伸ばし、丁寧に調べ始めた。
「ふむ……魔力の痕跡はかすかにしかありませんね……相当な手練れでしょう。私の少し下ぐらいか、もう少し下か……」
下であることは変わりないらしいが、魔術師長である彼の瞳はいつにも増して研ぎ澄まされていた。
「あなた方のイニシャルが入っているのはとても遊び心がありますね。問題は、この紋章です。セロさん、心当たりは?」
名指しされた格下の魔術師は、明らかに嫌そうな顔で鼻をぴくりと動かした。
「ありません。僕はそんなの知りません」
「では、その紫の髪の女性のことは? 知ってますよね」
断定した言い方をされると、セロは嫌なことを思い出したように強く歯ぎしりをした。
「……あんの紫のババアッ、知ってるも何も、俺のことを捕まえるときに生成した底なし沼に突き落としたんだぞッ! あの時のニヤついた顔、忘れるわけねえだろ!」
彼が明かす衝撃事実に度肝を抜かれる。
「ええっ、それ本当ですか? あんな優しそうな女性がそんなこと!」
「騙されるな。あいつらは外道のバケモンたちだ、お前も見たよな、ナザル!」
彼に振られた赤髪の獣は、ガタイのよい体を背もたれに預け、妙に真面目に腕を組んだ。