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巨体の人外に助けられて世話される話

第14章 疑問編


ゼイランの客室から出たあと、あなた達はホテル一階のロビーへ向かった。
送迎の執事が来てくれるまで少し時間があったのだ。

白と黄金色のきらびやかな博物館みたいな場所で、つい高い天井を見上げてしまう。

「ねえねえ、位の高そうな人たちもだけど、軍人さんもたくさんいるね。ルドガーの制服に似てる」
「ああ。ゼイラン様の護衛部隊もだが、他の貴族も大勢ここに宿泊しているからな」

濃色の軍服を着たルドガーがラウンジを見渡すと、確かに貫禄のある魔族の男性たちが座っている。
ゼイランのように若い人は珍しく思えた。

小柄なあなたがルドガーのそばでかしこまり気味に佇んでいると、遠くの軍人らはたまに彼に視線を投げた。

そして互いに目で合図し、軽く頷きあう。
今は職務中だが、きっと知り合いなのかもしれない。

「あ。ちょっと今のうちにお手洗い行ってきてもいい?」
「いいぞ。待て、俺も一緒に行こう。外で待ってるからな」

ここはある意味もっとも安全な場所だが、迷ったりしたらいけないのでルドガーはついてきてくれた。

あなたは女性用の化粧ルームへ入る。
そこもまた休憩のソファやらメイク用のスペースがあり、部屋のように美しい場所だった。

済ませたあと大理石張りの鏡の前で、じっと顔を見つめる。
他には人がおらず、あなたは小さい鞄から淡いピンク色の口紅をだして塗り直した。

「はぁ~。こんなホテルに泊まってるなんて、偉い人達はすごいよねぇ~」

ゼイランの部屋はその中でもひときわ豪華なのだろうが、思い出しただけで身分の差を感じる。

その後もう一度手を洗い、タオルを探していたときだった。

隣にいつの間にか、女性がいることに気づいた。
鏡でちらっと見ると、黒いレースのケープをかぶった、薄紫色のゆるい髪の人だ。

肌は白く大きな瞳で、二十代後半のお姉さんみたいだった。

――綺麗な人。超美人だな。

背が高く黒のロングドレスをまとい、黒のハイヒールを履いている。
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