第14章 疑問編
「ゼイラン様。ひとつ聞きたいことがあったんだ。……俺を戦闘施設から救ってくれたとき、まだ小さくてはっきり覚えてないんだが、あなたは施設を壊滅させて、獣たちを逃がしてくれたと言ったよな?」
「……んんっ? ああ、言ったな。そうそう。そうだよ。その通りだ」
ゼイランはわずかに目を見開いたあと、ルドガーと同じく、まっすぐ面を合わせるように前かがみになった。
「それがどうした? 何か気になることがあるのか」
「ああ……もしそこにナザルがいたら、あいつも逃げ出したのかもしれない。……俺の単なる仮説だが、その後にもし施設の魔術師たちに捕まっていたんだとしたら……」
ルドガーの金の瞳は迷いを浮かべて揺れている。
そして彼は、そのままあなたのことを見つめた。
「すまん、。確証がなくて、言うべきか迷っていたんだ。だが俺は、密かにこう思っていた。守護者の狙いは、本当は俺なんじゃないかと」
「ええっ」
「だってそうだろう? お前をダシにして、俺をおびき寄せ、また捕まえるつもりなんじゃないかと思ったんだ……」
「ルドガー……」
当時のことを詳しく知らず、自分では思い至らなかった彼の考えに、あなたはどう答えていいか分からなかった。
とにかく彼の手に自分の手を重ね、ぎゅっと握る。
「そういうことも、あるのかな……?」
「いや、でもな……お前から守護者の話を聞いていると、奴は俺のことはまったく眼中にないようだよな。……それに、俺自身が強く感じるんだ。守護者は、お前のことにすごく執心している。それは間違いない」
だからこそ、ルドガーは状況の判別がつかないようだった。
心当たりとしては、彼には確かに自分のせいかもしれないという懸念がある。
だが守護者の女は、加護を与えるといったり、定期的にあなただけに連絡を取ろうとしたり、まぎれもなく狙いはあなたなのだ。
話を聞いていたゼイランは、熟考する体勢のまま、口を開く。