第14章 疑問編
ふかふかの長い白ソファに座り、ゼイランも正面にガウン姿で腰を下ろす。
長い脚を組み、まだ眠そうにあくびしながら二人を眺めた。
「朝っぱらから元気だな、お前らは……俺だってまだ若いんだがな、お前らには負けるよ」
そうこぼしたあと、彼はあなたをじろじろと見てくる。
「、お前の元気さはもう知ったが。治ったのか、よかったな」
「あっ、はいおかげさまで! ゼイラン様にも大変お世話になり、本当にありがとうございました!」
素直に頭を下げると、彼は自分が伏せっていたあの夜のように、一瞬だけ優しい眼差しで笑んでくれた気がした。
「それで。……ああ、ミザロとジュリスの報告書なら目を通したぞ。その魔術師どもは今どうなんだ?」
「不審な点はない。24時間監視魔法で調べているが、守護者と連絡を取っている形跡はなかった」
「そうか」
机に置かれた封筒から、ゼイランは写真を数枚取り出す。
そこには、セロとナザルそれぞれの顔と全身写真があった。
監視についても初めて知ったが、騎士団は入念に調査をしていたようだ。
「ふん、毒にも薬にもならなそうなつまらん容貌だな。ミザロによると魔力も平凡なんだろ? こんなやつが守護者の部下なのか、」
「え、ええと……彼にも事情があるようで。今は騎士団にいることを切望しています。そんなに悪い人じゃないですよ」
同じ人間であるセロをかばうも、ゼイランは興味なさそうに次の写真をめくった。
「だが、この赤髪はきな臭いな。ルドガー、知り合いか?」
「……! やはりあなたもそう思うか? この角といい、外見といい……俺に共通点がある気がするんだ」
軍服姿のルドガーが身を乗り出すと、主人は首をひねって小さく唸る。
「わからんな。確かに角は似ているが、お前のことについては昔話しただろう? 希少な古代種という以外は、判明していない。……それにこいつは、幻獣か。おそらく魔術師によって体をいじられたか――」
恐ろしいことを平然と言い出すゼイランにあなたは震える。
話によれば、ルドガーはこの種族の獣本来の姿を保った、純血種でもあるようだ。
二人の関わりは分からないが、もしナザルが魔術師によってそんな目に合っていたのなら、あなたは勝手に胸が痛んだ。
そんなとき、ルドガーがやや緊張した面持ちで切り出す。