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巨体の人外に助けられて世話される話

第14章 疑問編


「……えっ? 今ので終わりですか?」
「そうだよ。腹がふくれたか、ナザル」
「全然。お前のちっぽけな魔力で満杯になったことなんかねえわ」

はは、と笑いながら彼はあなたに目配せした。

「あんたのくれたらもっと嬉しいんだけどなぁ」
「ええっ、私のちょびっとしかないんで、なくなっちゃいますよ。無理です」
「そんなことねえよ、日に日に増えてんじゃねえか」

ナザルは成長を褒めるお兄さん的な微笑みを浮かべる。

同時にあなたはルドガーをちらりと見た。
あなたの頬がそっと染まった表情を見て、ルドガーは顔を近づけてくる。

「何が言いたい? ……キスしてもいいか?」

妙に色づいた小声で囁かれ、顔がもっと熱くなる。

「……だめに決まってるでしょうっ」

他の男達の前で何を言い出すのかと思えば、ルドガーは珍しく皆の前で楽しそうに笑った。




結局二人で長々と滞在した後、おやすみを言って部屋を出る。
寮の廊下を歩いて帰る間、あなた達は会話をした。

ルドガーがまとうムードは、彼らといてもそこまで殺伐としたものではなかった。

この間、想いを確かめ合い、二人きりのデートの時間を経てから、少し落ち着いたのかもしれない。

けれど今日の行動は、あなたの心を少しだけざわつかせる。
彼の本能はやはり獣だからだ。

「ねえねえ、まさか殺すための準備とかじゃないよね? そんなことしちゃだめだからね」
「安心しろ、そんなことはしない。…まだな」

彼は不気味に言い、廊下で振り返る。
指先があなたの重なり合うネックレスに触れると、顔つきが一瞬柔らかくなった。

かと思うと、また思案するような真剣な面持ちになる。

「……あいつ、俺に似ていないか?」
「えっ? もしかして、ナザルさん? どこが? 全然似てないよ! ……どうしたのルドガー」

あなたは心配した。まさかそこまで思い詰めてるのかと。
だが彼は冷静で、まったくそういうことじゃないらしかった。

「気質の話じゃない。外見だ。……あいつの角、それに体格も……俺と同じで、獣人ではないよな。耳も尾もない、人化できる獣だ」

どうやら彼がしてるのは種族的な話のようだ。
確かに色は違うが、二人の角の形はよく似ていた。

だが、今日の生活を見ていても、ルドガーとナザルは根本的に違う気がした。
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