第12章 赤兎編
「わかってるよ。私も休暇のとき、大変だったけど、すごく幸せだった……ずっとあなたと二人きりで過ごせたから」
そう言って彼の頬を手で包む。
自分からキスをしたい、そう思った唇は、すぐに向こうから塞がれた。
熱くほてる唇が重なり合い、すぐそばで見つめ合う。
二人は安心したようにそっと微笑み合った。
ルドガーはあなたをきつくきつく、腕の中にしまいこむ。
それだけで彼の気持ちが伝わった。
自分も同じだ。
本当は二人だけで十分なのだ。いくら世界が広がっても、あの小屋からの幸せな時間が続いているだけだった。
彼の腕の中が、あなたにとっては一番の居場所だから。
ルドガーはあなたの顔を撫でながら、言葉を紡ぐ。
「、お前と二人きりになりたい」
「えっ……?」
瞬きをすると、彼はふっと笑ってこんなことを言う。
「俺と、デートしないか? 明日は休日だ」
「……ほんとう? いいのっ?」
ルドガーにそう言われれば、もっと幸せになるのは決まっている。
「行きたい……! あなたと二人きりのデート。楽しみだなぁ……ふふっ」
照れたような、満面の笑みであなたは頷いたのだった。