第12章 赤兎編
そうやってしばらく二人は、ゆっくり過ごしていた。
平日の午後に、たまにはこんな日も悪くない。
むしろ、幸せに満ちてゆくのを感じた。
布団から抜け出す気になれず、あなたはルドガーの脇に頭を乗せ、広い胸板に寄り添っている。
「……、あいつらとずいぶん仲良くなったんだな」
ふとそう言われて、どきっとした。
ベッドの中で他のオスのことに触れられるのは珍しい。
ただごとじゃないと思い、そろそろと顔を上げた。
「仲いいっていうか……そんなんじゃないけど。三人とも仕事ないからね……時間あるし、たまたま……」
どう言っていいか分からず、あなたにとっては半分彼らの見張りも兼ねているため、自分の役目のような感覚もあった。
だけどルドガーの寂しい気持ちは気づいている。彼はそういうサインを出してくれるからだ。
「……俺は、二人の休暇の頃に、もどりたい……」
そう頭上から声がしたときには、あなたは目を丸くして見上げた。
彼は完全に我に返った表情で、焦る。
「あっ……すまん、そういう意味じゃないんだ! 俺は、ただ……」
黒い眉を下げて、金色の瞳がしぼんだように覇気を失っていく。
あなたの心は、もっとも切なくしめつけられた。