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巨体の人外に助けられて世話される話

第12章 赤兎編


魔術師塔にセロが来るまで、あなたは赤髪の男に話しかけようと努める。
皆がテーブルを囲んで座る中、男は正面のソファに腰を下ろし、悠々と腕をかけていた。

「あのう、そろそろお名前を……それと、ちゃんと服を着てくれませんかね。持ってないんですか?」
「あのよ、姉ちゃん。俺に一気にお願いしすぎだろ。どれかひとつにしろよ」

引き締まった肉体美をさらす下着姿の男は、にやりと流し目をする。

「じゃあ服でお願いします」
「…ちっ。しょうがねえな。そんなに刺激的か? 俺の裸は」

どうせ名前はあとで分かるだろうしと思っていると、赤髪は一瞬で姿をがらりと変えた。

彼に季節は関係ないらしく、派手な柄シャツは最後のボタンひとつしか留めていない。
白いズボンに金ぴかの腕時計、じゃらじゃらした金のアクセサリーまで身につけていた。

長めの髪の毛も後ろに流すようにセットしていて、どこからどう見ても、軽薄そうな若い色男である。

「わあすごい、人間みたいですね。どうやってやったんですか」
「魔法だよ。人間つうより魔族に近いけどな。……くくく、俺に興味深々だな。あんたになら色々教えてやるぜ? ほら、そんなつまんねえ男の隣じゃなく、俺んとこ来いよ……」

態度のでかい獣が誘い出したとき、あなたの横でずっと黙っていた獣は、とうとう堪忍袋の緒が切れそうな表情をした。

「お前……俺達がお前に話をさせてやってるんだ。はき違えるな。殺すぞ」
「バカのひとつ覚えみたいに殺す殺すってなあ、お前いくつ? 人生の先輩が言葉を教えてやろうか?」

これはまずい。
彼らはまったくタイプも育った環境も違ってみえる。
あなたはいきり立つルドガーの膝の手をぎゅっと握り、男に視線を向けた。

「彼を挑発しないでください。あなたの立場は何も変わりませんよ、毛玉さん」
「……おい。俺は毛玉じゃねえ。……くくっ、どうせならもっとエロい名前で呼んでくれよ、姉ちゃんよぉ」

この人はまったく話が通じない。
からかわれてるだけなのかもしれないが、彼のペースを崩すのが大変に思えた。

するとちょうど、ミザロの部屋の扉がすーっと開く。
皆の注目が集まると、怯えた様子のセロが顔を出しており、背後の背の高い騎士が礼をして去った。
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