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約束の未来へ【御幸一也】長編

第8章 【最終章】未来の先、変わらないもの


「私が青道でコーチやってるのは、ある意味高校時代の恩返しみたいなものかな」
「そう……なんですね」

私の言葉に少しだけ悲しそうな目をした光舟くん
だけど、

「……俺は、さんが幸せならそれでいいです」

そう言うと、それ以上何も言わずに、すっと視線を逸らしてしまった。


「つーかよ、就職はどうするんだ?」

少しだけ張りつめた空気を切るように、倉持くんが新しい話題を振った。

「あー、実はもう内定決まってて」
「もしかして、ここか?」

そう言って倉持くんはグラウンドを指さす。

私が「違うよ」と言う前に、一也が先に口を開いた。

「ちげぇよ。俺んとこ」
「……は?」

一也の発言に倉持くんと光舟くんの声が重なる。

「あー、あの、一也のいる球団に内定をもらって」

私は慌てて一也の発言に付け加える。

「あー、そういう事な、びっくりしたー」
「んだよ、間違ってねぇだろ」
「いや、そうだけど言い方ってもんがあるでしょ」

私が一也に言い返すと倉持くんが吹き出した。

「ぷっ、お前ら変わんねぇな」
「もう、笑い事じゃないよ。倉持くんからも言ってよ」
「いーや、むり。こいつのは治んねえ」

倉持くんは呆れたように肩をすくめる。

「……だとよ。諦めな」
「そこ、得意げになるな!」

そう言って一也と目が合うと
自然と笑みがこぼれた。

「あれ、つーか御幸、明日大阪じゃねぇの?時間大丈夫か?」

倉持くんに言われて時間を見ると
私たちは1時間近く話していたみたいだった。


「あー、そろそろ行くか」

そう言って一也は自然と私の手を取り
歩みを進めた。

「じゃあ、二人ともまたね!」

私が小さく手を振ると倉持くんと光舟くんも手を振り返した。

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