第8章 【最終章】未来の先、変わらないもの
「……一也!お待たせー!」
「待ってねぇよ。お疲れ」
「あれ?光舟くんに倉持くんも!久しぶり!」
グラウンドの方から駆け寄ってきたさん。
「よぉ」
「お久しぶりです。そっちも調子よさそうですね」
「そうなのー!最近女子にも面白い球投げる子入って、やっぱり楽しいね、人の成長見るのって」
「けど監督から女子野球部できる話聞いた時は驚いたよな」
「そうそう。まさかコーチお願いされるとも思ってなかったし」
そう。
さん達の世代の卒業後
青道にも女子野球部が設立された。
メンバーは高島先生がスカウトして
何人かは他校から編入という形で入部してくる人もいた。
そして、そのチームのコーチとしてさんは定期的に青道へ来ていた。
夢主side
今日は久しぶりの一也のオフ。
高島先生にも早めに帰っていいって言って貰えて
グラウンドから出た。
そうしたら、一也の横には
倉持くんと光舟くんもいた。
今高島先生が女子野球部の部長やってることや
たまにスカウトについて行ってること、
話し始めたら止まらなくて……
この時間が少しだけ懐かしくて
時間も忘れて話していた。
「さんは、良かったんですか?」
「ん?」
ずっと静かに聞いていた光舟くんが
ふいに口を開いた。
「大学で選手に戻る道だってあったかもしれないのに、ここでコーチ引き受けて良かったんですか?」
昔と変わらないまっすぐな視線に
私はまっすぐ向き直った。
「私ね、青道でマネージャーしながら気がついたんだ。選手でいるだけが野球をする事じゃないって」
「大京シニアで最初後輩教えてた時は選手に対する未練タラタラだったの」
私の言葉に少しだけ肩を揺らした光舟くん
それでも、私は続けた。
「だけど、どんどん上達する光舟くん達を見てるうちに、教えるのも楽しくなって、気づいたら、選手でいた頃より今の方が毎日楽しくて」