• テキストサイズ

約束の未来へ【御幸一也】長編

第8章 【最終章】未来の先、変わらないもの


御幸side

「あぁ、待ってる」

からの視線に答えるように俺もを見つめ返した。

その目にはさっきまでの不安はどこにもなかった。

そして、ゆっくりベンチから立ち上がると、俺達はゆっくり帰り道を歩んだ。

「あ、でも」

不意にそう言って足を止めた
につられて足を止めると

「さっきみたいな強肩の無駄遣いはもうしちゃダメだよ」

そう言って冗談交じりに少しだけ頬を膨らませる。

「……考えとく」

俺は適当な返事をしての方に視線を落とす。

そして、お互い目を合わせ笑い合うと
再び歩み出した。

の家に着いた頃には
もう日は傾きかけていた。

「……?」

家の前に着いたのに
一緒に足を止めたままのに
声をかける。

俺の声に顔を上げた。

その顔に俺は少し息を飲んだ。

夢主side

家の前につき、
いつも通り一也の方を振り返る。

夕日に反射して一也の胸元のリングが
一瞬キラリと光った。

いつも通りの帰りの風景のはずなのに
いつもと違うその光を見て
少しだけ胸がザワついた。

卒業まで、あと何日だろう……。
あと何日したら、いつものこの時間がなくなるんだろう。

「?」

そんな事を考えていたら、
一也の心配そうな声が聞こえた。

同時に視線が左手の薬指につけられた
リングに向いた。

……そうだ。
まだ一也に伝えなきゃいけないことがある。

私は小さく手を握り直すと
一也をまっすぐ見上げた。

「……まだ、時間ある?」

私がそう聞くと一也は
少し息を飲んだあと、小さく頷いた。

「……あるけど」

不思議そうな顔でそう答えた一也に
私は言葉を続けた。

「なら、私も一也にちゃんと話しておきたいことあるの」

「少し、寄っていかない?」

そう言うと、小さく頷いた一也を家に招き入れた。

「……お邪魔します」

少しだけ緊張した様子で玄関をくぐる一也。

「両親とも出張で居ないから大丈夫だよ」

私は一也を自分の部屋に通すと
一也の反応を待たず、そのまま言葉を続けた。

「……私、受験する大学もう決めてるの」

「稲城大学」

/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp