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約束の未来へ【御幸一也】長編

第8章 【最終章】未来の先、変わらないもの



夢主side

一也が虫除けだと言ったこのリングは
私にはお守りに感じた。

ただ漠然としていた未来の不安が消えて、
不思議と安心に変わった。

不意に一也に視線が行くと、

「いや本当は……そうじゃなくて……」

一人で小さく自問自答していた。

その姿がらしくなくて、
可愛くて。

「分かったよ」

気がつくとそう言って笑っていた。

……もしかしたら一也の方が不安だったのかな

なんて、ありもしない事を考えていたら、
ふと、箱の中のもうひとつのリングに目がいった。

「……一也はどこにつけるの?」

私に付けられたリングも、もうひとつのリングも
どう見てもシリコン製とかではない。
普通のリングだ。

試合中はもちろん
練習中でさえつける余裕はないのに……。

私のと同じリングに疑問が浮かんだ。

すると、一也はおもむろに
もうひとつのリングを手に取った。

「……これならずっと身につけれるだろ?」

そう言って一也が箱から取り出したリングには
私のとは違い、長いチェーンが付いていた。

「つけてくれるか?」

そう言って一也は私にネックレスにしたリングを渡すと
少しだけ前かがみになった。

私は受け取ったネックレスの金具を外し
ゆっくり一也の首に腕を回すと
金具をつけなおした。

「できたよ」

そう声をかけて一也の首から腕を外すと
一也はゆっくり顔を上げた。

一也は胸元に下がるリングへそっと手を伸ばすと

「案外、邪魔にならないもんなんだな」

指先でリングを軽く弾きながら、小さく笑う。

その姿に少しだけ……

今だけは、私だけの一也なんだ。

そう思ってしまった。

「似合ってる」
「お、おう」

私の言葉に
一也は少し照れ臭そうに頬を軽くかいた。

「一也……」
「ん?」
「ありがとう。さっき助けてくれて」

私は言えてなかった言葉を思い出した。

少しいまさらな気もした。

けど

「私も自分の夢、諦めないから」

「一也は先に待ってて。絶対行くから」

私はそう言ってまっすぐ一也を見つめた。


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