第7章 【第4章】選ばなかった未来_時間
その後も鳴の完璧な投球は続き、
アメリカ代表チームへの連続安打を許さなかった。
しかし、
「スリーアウト!試合終了」
相手もそう簡単に崩れることはなく、
5ー5の同点のまま一試合目は終わった。
「鳴、ちょっと……」
私は自分の片付けを終えると、鳴の方へ向かい声をかけた。
「なにー?告白ー?」
いつものような軽口で返事をする鳴。
ある意味そうなるのかな。
「うん。早くきて」
「えっ、と……?うん」
私はベンチから少し離れた所へ鳴を連れて行くと
試合中にずっと気になっていた事を聞いた。
「……一也が気がついてるか分かんないんだけど」
私の言葉に小さく息を呑む。
「チェンジアップ投げる時、一也の時だけ何か仕掛けたでしょ」
鳴side
からの言葉に正直驚いた。
全く気が付かれないなんて事ないとは思ってた。
というか、気がついて欲しかったのはそこじゃなかった。
「……なんで分かったの?」
俺がそう聞くとは小さくため息をついた。
「やっぱり」
「いや、待って。マジでなんで?」
「だって、昨日の投げ方と明らか違うし、スコアブックと見比べたら違和感だらけだったよ」
は少し呆れたような声でそう言った
「あーあ、一也に気が付いて持って帰って欲しかったのに」
不足の事態に備えて、タダでは帰らせないつもりで仕組んだフォームだった。
「もしかして、この為だけにわざわざ?」
「……うん」
俺が短く返すと
の雰囲気が一瞬にして変わった。