第7章 【第4章】選ばなかった未来_時間
夢主side
東京代表、最終日。
朝からやけに胸騒ぎがする。
昨日までの二日間
結局、鳴と一也は一度もバッテリーを組んだ練習をしていない。
国友監督的にも同地区のライバル校というのも大きな理由だろう。
……なんで今更引っかかるの。
鳴は乾くんと。
一也は他の投手達と。
それぞれ問題なく結果も出していた。
むしろチームとして見れば自然な采配だ。
なのに——
胸の奥に小さな棘が刺さったまま抜けないまま
アメリカ代表との初戦が始まった。
先発は楊くん。
キャッチャーは乾くん。
ほぼ私の予想通り、
初回からお互い無得点。
探り合いから始まった投手戦。
乾くんも内角に厳しいのは読んでたのか、
序盤から積極的にインコースを使う。
楊くんも抜群の制球力で応えた。
アメリカチームのピッチャーも巨体を生かした思いっきりのいいピッチングで二回まで東京代表チームは三者凡退。
試合が動いたのは三回裏
日本チームの攻撃。
ワンナウトから九番の楊くん。
甘く入った球を見逃さず振り抜く。
ボールはセンター前に落ちた。
スコアブックに初めて線を引く。
「投打共に調子いいですね」
「あぁ、仲間となればこの上なく心強い選手だ」
心做しか、いつもより国友監督の表情が明るかった。
打順が二巡目に入る。
一番のカルロスくんは手堅くフォアボールを選択。
二番の白河くんは送りバント。
前二人の足を信じたのか、それとも……
ツーアウト、ランナー二、三塁で打席には
三番の一也。
——カキン
少し高めに浮いた二球目。
鋭い打球は内野の頭を越え、
センター前へ抜けていく。
先制。
その後も連打が続き、気づけば三点のリードを奪っていた。
スタンドの熱がベンチにまで伝わる。
……次を抑えたら、もうこっちのペースになる。
このまま押し切れる。
誰もがそう思い始めていた——。